アスレティックトレーナー(JSPO-AT)実技試験の当日の流れについて

トレーナー

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)は、理論試験を突破してから2回までしか実技試験を受けることができません。

2回実技試験に落ちてしまった場合、再度180時間の実習を行う必要があります。

当日の様子を少しでも多く知っておくことで、当日の緊張感を持って練習に望めると思います。

アスレティックトレーナーを志す学生にとって参考になったら嬉しいです。

時計は持ち込んで良いの?

当日に受け取った注意事項の説明には、このような記載があります。

「時計機能しか有さない時計の持ち込みは構いません。ただし、正式な試験時間は検定員のタイマーで計ります。個人が持ち込む時計はあくまでも本人が検定を進める際の目安としてください。」

基本的には試験問題を読み上げた直後にスタートになるので、試験官の

「では、始めて下さい」

という声の後にスタートする認識で良いかと思います。

私は1000円ぐらいで売られているストップウォッチ機能付きの腕時計を購入して、練習の際も本番も使用していました。

ストップウォッチの「ピッ」という音については、特に注意の説明はなかったので、音があっても全く問題ないと思います。

apple watchなどの時計は、時計機能だけを表示していれば問題ないと注意事項で説明されていましたが、普通のデジタル腕時計の方が無難だと思います。

当日の流れについて

受付

私は新宿の国立競技場に隣接している日本スポーツ協会の建物で実技試験を受けました。

1階で受付をする際に受験票の提示が求められました。

そこで建物に入るためのセキュリティパスを受け取り、エレベーターで上の階に行きました。

上の階で再度受験票を提示して受付を行い、自分の座席や試験の順番、注意事項などが書かれた書類を受け取ってから控室へと案内されました。

全部で50名程度の受験者がおり、午前中に20~30名、午後に30名程の受験者がいました。

A~E会場の5ブースで試験が行われていました。

控室での注意事項の説明

20分ほど試験について注意事項の説明がありました。

また、この際に持ち込む物品を確認しており、特にテーピング用ハサミが適切なものであるかチェックしていました。

テーピング用ハサミは、皮膚を保護するために刃先が丸くなっています。

そのため、普通のハサミは使用しないように伝えていました。

試験までの待ち時間

注意事項の話が終わってから、順番に試験問題配布場所へ誘導されます。

私は40分程度の待ち時間がありましたが、遅い人では2~3時間程度待つ必要があると思われます。

建物に入ると、中では椅子に座って待つ必要があり、テーピング練習などはできませんでした。

なので、皆さん静かに参考書を読んでいました。

試験問題配布場所へ誘導

自分の順番になると、控室から自分の荷物を全て持ち、トイレで手指洗浄を指示されました。

その後、エレベーターを降りてから試験実施会場の近くの部屋に通され、試験問題が配布されました。

5分間でカテゴリーⅠ~Ⅲの問題を確認し、問題用紙に書き込みをすることができます。

その後、同じ階にある試験場所へ誘導されて実技試験が開始となりました。

試験会場の雰囲気

実際に試験会場に入ると、3名の試験官と1名の選手役の方がいました。

選手役の方は30~40歳代、試験官は40~50歳代の方と思われます。

選手役の方はシンプルな受け答えをしてくれましたが、中にはあいまいな回答をする人もいるようです。

受傷機転などは答えてくれると思いますが、できるだけyes、noで答えられる質問をするように心がけました。

実際に出題された実技試験の問題と評価結果

カテゴリーⅠ

サッカー選手、練習中に右大腿後面に痛みを感じプレーを中断。この選手に対して適切な評価と救急処置を実施せよ。

問診:初回受傷。pop音わずかにあり。しびれなし。

歩行:可能だが痛みあり

⇒パイプ椅子に座っている状態から肩を貸してベッドに誘導

圧痛:大腿後面の外側中央部に(+)、外側近位、遠位は(ー)、内側は近位、中間部、遠位部全て(ー)、坐骨結節(ー)

active ROM(腹臥位):膝屈曲時に違和感あり

抵抗時痛:膝屈曲で+

Passive SLR:60°あたりで疼痛+ しびれなし。

RICE処置:背臥位、膝屈曲位で大腿後面外側の当該部位にアイシングを実施。

あくまで応急処置なので、必ず医療機関を受診することを説明。

カテゴリーⅡ

ラグビー選手。2週間前の試合中に右膝内側側副靱帯損傷(Ⅰ度)の診断。現在は物理療法などを行っているが、積極的なトレーニングは行っていない。この選手に対して代表的な筋力トレーニングを指導せよ。

問診:試合中に左方向へのカッティング動作で膝を外反して受傷。

圧痛:MCL± そこに痛みがあったんだなという程度

ROM:-5~130° 伸展、屈曲ともに最終域で痛みあり

MMT:膝関節伸展5 抵抗に負ける感じはなかったが、問診すると力が入りづらい感じがするとのこと。

膝関節屈曲4 反対側は5レベル 自覚的な力の入りづらさもあるとのこと。

実施プログラム:ヒールスライド、大腿四頭筋セッティング、ヒップリフト(両脚⇒片脚)

今後はスクワットなど、負荷を徐々に上げていく必要があることを説明。

カテゴリーⅢ

左肘内側側副靱帯損傷に対するテーピング

テーピングでは特に評価は行わなくてよいと説明されたので、巻き終えた後に痛みがないかチェックをする程度で終わりました。

テーピングについては、巻いた後すぐに外されたため、しっかり固定できているかなど、制動力のチェックはされることはありませんでした。

試験の問題用紙は回収されるため、一言一句同じではありませんが、このような内容で出題されました。

まとめ

以上、AT実技試験の当日の流れをお伝えしました。

試験本番はかなり緊張しますが、少しでも情報を知っておくと緊張が和らぐと思います。

質問受け付けておりますので、ぜひコメントください。

コメント

  1. きむら より:

    はじめまして。
    この度、実技試験を受けたものです。
    時間オーバーは基本的に不合格になるとお考えでしょうか?
    私は、カテ1のアイシング固定終了間際で時間終了となってしまいまして、とても不安な状態です。
    もし、miroさんの知る限りで、時間超過した人の合格例等ありましたら、教えて頂きたいです。
    よろしくお願いいたします。

    • miro より:

      きむら様
      コメントありがとうございます。
      この度は実技試験、お疲れ様でした。
      以下、参考になれば幸いです。

      時間管理は重要な評価項目の一つとされており、時間超過は評価を減らす要因となるかと思います。
      ただし、時間超過が必ずしも不合格になるわけではないと考えています。
      実技試験の合否は、カテ1~カテ3の総合的な内容によって判断されるためです。
      特にきむら様の場合は終了間際ということもあり、カテ1での選手とのコミュニケーションの取り方、カテ2、カテ3で高い評価を得られれば、合格の可能性はあるかと思います。

      実は私自身、カテ1で固定が完了すると同時に時間終了になってしまいました。
      また、パラスポーツトレーナーでも同様の試験を行っているようで、私の知人にアイシングの固定が終了する前に時間終了となっても合格した人がいます。
      そのため、時間超過したことで過度に不安になる必要はないかと思われます。

      きむら様の合格を心から祈っています。

      • きむら より:

        ご返信ありがとうございます。
        大変参考になりました!
        大人しく、結果を待ちたいと思います。
        ご助言ありがとうございました!

タイトルとURLをコピーしました