ダイエットを目指す場合、その手段として有酸素運動が有効とされています。
中でもランニングやエアロバイクは手軽に始めることができるため、おすすめな運動の一つです。
最近ではスマートウォッチなど、心拍数を勝手に測定してくれる機器が普及していますが、どれぐらいの心拍数が良いのかわからない方もいると思います。
ランニングによる脂肪燃焼を最大限に活用するためには、適切な心拍数をキープすることが重要です。
この記事では、ダイエット目的の場合におけるランニングの心拍数について詳しく説明します。
参考文献
- 入門運動生理学 第4版 杏林書院
目標心拍数の計算
ご自身の年齢、安静時心拍数、目標運動強度を入力してもらうと、
どれぐらいの心拍数で運動したら良いか計算してくれます。
※50%VO2maxで運動したい場合、目標運動強度は、「50」と入力するようにお願いします。
心拍数計算
結論
目標とするべき心拍数は、自分が目標とする運動強度を設定すると、年齢と安静時心拍数を使って算出できます。
運動強度の指標としては、%VO2max(ブイドットオーツーマックス)が用いられます。
目標心拍数 = (最大心拍数 – 安静時心拍数)× 運動強度(%)+ 安静時心拍数
最大心拍数ー安静時心拍数を、予備心拍数と呼びます。
例:30歳、安静時心拍数65(回/分)の方が50~60%VO2maxを目標とする場合
・予備心拍数=190(回/分)-65(回/分)=125(回/分)
・(125(回/分)×0.5)+65(回/分)=127.5≒128(回/分)
・(125(回/分)×0.6)+65(回/分)=140(回/分)
つまり、128~140(回/分)を目標心拍数にすると、50~60%VO2maxの強度で運動することができるとわかります。
計算サイトに当てはめて、自分の目標心拍数を計算してみましょう。
どれぐらいの時間を継続したら良い?
健康づくりを目的とする場合、
・60%VO2maxは20-30分
・70%VO2maxは10-20分
の運動時間で効果が出るとされています。
運動初心者がダイエットを目的とする場合の運動強度設定は?
ここ数年運動を行っていないような方の場合は、30~40%VO2maxの強度で、20分程度の運動から始めると良いとされています。
一般的には40~70%VO2maxの運動強度を設定すると、脂肪燃焼として効果的な運動ができると言われているので、負荷を段々上げていくと良いでしょう。
初心者は30~40%から、徐々に負荷を上げていくことをお勧めします。
1週間目は50%、2週間目は60%、3週間目は65%、4週目は70%など負荷を徐々に上げていくことが必要です。
V・O2maxとは?
VO2max(最大酸素摂取量)とは、1分間に体内に取り込まれる酸素の最大量を指します。
酸素を取り込み、体内でエネルギーを生成する過程で脂肪が使われます。
燃焼した脂肪は、二酸化炭素として大気中に放出されます。
安静時心拍数の測り方
①5分以上座る、もしくは寝た状態で安静にする
②橈骨動脈を人差し指、中指、薬指の3本で触れる
③15秒間に拍動した回数を4倍にする、もしくは30秒間に拍動した回数を2倍にする
心拍数から運動強度を割り出す方法は?
計算には以下の4つの式を使います。
・予備心拍数=最大心拍数-安静時心拍数
・上昇心拍数=運動時心拍数-安静時心拍数
・%予備心拍数=(上昇心拍数/予備心拍数)×100
高齢者や低体力者の方はどんな運動強度から始めるのが良い?
重度の高血圧や糖尿病がある場合は運動が禁忌になる場合があるので、医療機関でどの程度の運動を実施して良いか確認してから実施しましょう。
基礎疾患などがなく、65歳以上の方は30~40%VO2maxから始めるのが良いとされています。
例:70歳、安静時心拍数75の方が30%~40%VO2maxで運動する場合
最大心拍数:220-70(歳)=150(回/分)
目標心拍数(30%):(150-75)×0.3+75=22.5+75=97.5≒98(回/分)
目標心拍数(40%):(150-75)×0.4+75=30+75=105(回/分)
98~105(回/分)を目標にして運動を行い、楽に感じる場合は徐々に負荷を上げていきましょう。
おまけ:有酸素運動で脂肪が減少するメカニズムについて
過去の記事で解説しているので、ぜひご覧ください^^
運動で減った分の体重はどこに行くのか | 理学療法士miroのblog (miroesblog.com)
以上、参考になれば嬉しいです。
計算サイトに入力するだけで目標心拍数がわかるので、ぜひやってみてください^^
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