腰痛対策には、core stability(体幹安定性)が重要とされています。
その中核をなすのが腹横筋です。
自家製コルセットとも呼ばれる腹横筋に力を入れることはできるでしょうか?
腹横筋は体幹、骨盤の安定性を高めるのに重要な筋とされています。
運動をしている方でも力を入れるのが難しい場合があるので、ぜひ参考にしてください。
この記事を読むことで得られるメリット
・腹横筋が触れるようになる
・腹横筋を触りながら力を入れることができる
腹横筋はどこにある?
腹筋群は4つあり、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋の4つの筋から構成されます。
これらを併せて「腹筋」と呼ばれます。
いわゆるシックスパックの筋は、腹横筋ではなく「腹直筋」です。
解剖学アトラスのアプリから、下の図の水色が腹横筋です。
腹横筋は、腹筋群の中でも最も内側にあり、いわゆる「インナーマッスル」と呼ばれる筋です。
起始停止、作用、支配神経
ここは専門的な内容なので飛ばして問題ありません。
【腹横筋の起始】
第7~第12肋軟骨、胸腰筋膜、鼡頚靭帯、腸骨稜
【腹横筋の停止】
剣状突起、白線、恥骨
【腹横筋の神経支配】
肋間神経(T7~T16)
腸骨下腹神経(T12~L1)
腸骨鼡径神経(L1~L2)
【作用】
腹横筋は横方向に線維が走行しているので、肋骨や骨盤を閉じる動きや、腹圧を高めることができます。
深呼吸では、息を吐ききる時にも働きます。
力が入っているのを確かめる方法
骨盤の前外側には、両方に上前腸骨棘と呼ばれる骨を触ることができます。
まずは上前腸骨棘を触り、そこから3~5cmほど内側、1~2cmほど下を触ります。
筆者はそのあたりが最も腹横筋を触りやすい場所だと思っています。
収縮させる方法① 下腹部を凹ませる(ドローイン)
(1)仰向けに寝て、膝を立てます。
(2)腹横筋を触りながら、下腹部を凹ませます。
イメージは、おへそから下を背中にくっつけるような感覚です。
(3)触っている腹横筋が収縮して硬くなっているのを感じられればok
10秒キープを5回、2セット行いましょう。
負荷の高い運動ではないので、毎日行ってもokです。
収縮させる方法② 腹式呼吸
(1)仰向けに寝て、膝を立てます。両手で腹横筋を触りましょう。
(2)鼻から2~3秒かけて吸って、お腹をふくらませます。
(3)口から5秒ほどかけて息を吐き、下腹部を凹ませます。
(4)触っている腹横筋が収縮して硬くなっているのを感じられればok
5~10回、2セット行いましょう。
こちらも負荷の高い運動ではないので、毎日行ってokです。
応用編
仰向けで腹横筋を収縮できるようになったら、次は座った状態、立った状態でも同じようにできるかどうか確認しましょう。
注意点
腹横筋を収縮させることができる=腰痛にならない、というわけではありません。
しかし、腰痛患者の治療の1つとして、腹横筋のトレーニングは重要であると考えています。
腰痛の原因を特定するためには、整形外科に行って理学所見、画像所見などから総合的に判断する必要があります。
まとめ
・腰痛対策には、core stability(体幹安定性)が重要とされている
・上前腸骨棘の3~5cmほど内側、1~2cmほど下で腹横筋の収縮を確認できる
・腹部引き込み運動(draw-in)、深呼吸で腹横筋を収縮できる
以上、参考になれば嬉しいです。
参考になった方は、ぜひ友人やご家族などに共有してもらえると嬉しいです。
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