理学療法士(PT)が日本スポーツ協会アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の資格を取るメリット7つ

トレーナー

理学療法士のmiroです。

今回は、理学療法士(PT)が日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の資格を取得するメリットについて、私なりの意見をお伝えしたいと思います。

私は現在、理学療法士として整形外科クリニックで働きながらJSPO-ATの資格取得に向けて勉強しています。

無事に理論試験を突破し、実技試験に向けて勉強中です。

私が資格取得に向けて勉強する中で、資格を取ることで様々なメリットがあることに気づいたので、お伝えしたいと思います。

私は養成校(免除適応コース)で資格取得に向けて勉強中なので、養成講習会とは違った勉強方法です。

それでは、PTがJSPO-ATを取るメリットについて紹介します。

メリット①:アスリートに対するコンディショニングの知識が得られる

これは当然と言えば当然ですが、アスリートに多い整形外科的疾患について、講義や理論試験に合格するための勉強で学ぶことができます。

足関節捻挫、膝内側側副靭帯損傷、膝前十字靱帯損傷、半月板損傷、肩関節前方脱臼、腰椎分離症、スローイング肘、スローイング肩など、臨床現場でも診ることが多い疾患の原因やリハビリテーションの方法を学ぶことができます。

その他にも、頸椎捻挫や筋筋膜性腰痛、肩鎖関節脱臼など、スポーツに多い疾患を網羅的に学べるで、スポーツ現場に出た際や外来診療で選手を診るときに、その疾患について全くわからない、ということがなくなります。

メリット②:臨床現場でアスリートのリハビリテーションに活かすことができる

カリキュラムの中で、テーピングやマッサージの方法を学ぶことになります。

特にテーピングは、実技試験対策として以下の疾患に対して最低限巻けるようにしておく必要があります。

そのため、再発予防を目的としたテーピングの扱い方や巻き方は、確実に学ぶことができます。

  • 足関節内反捻挫(一番基本のテーピング)
  • 足底腱膜炎:アーチ保持のためのテーピング
  • 足関節背屈制限:衝突性外骨腫(フットボーラーズアンクル)、アキレス腱炎、前脛腓靱帯損傷
  • 足関節底屈制限:有痛性三角骨、距骨後突起障害、前脛骨筋腱炎、前脛腓靱帯損傷
  • 踵部脂肪体炎
  • 膝内側側副靱帯(MCL)損傷、膝前十字靱帯(ACL)損傷
  • 肘内側側副靭帯(ACL)損傷
  • 肩関節前方脱臼
  • 手指のテーピング

これだけ多くのテーピングを巻けるようになると、臨床にも活かすことができます。

例えば、半月板損傷の患者さんで脛骨が外旋位であることが痛みの原因となっている場合、膝のスパイラルテープで脛骨を内旋誘導することで痛みを抑えることができ、スポーツ復帰に近づくことができます。

メリット③:大学教員を目指す際のアドバンテージになる

大学教員を目指す場合、現在では最低限修士課程、あるいは博士課程を修了する必要があります。

その際にJSPO-ATを取得していることで、他の人との差別化を図ることができる可能性が考えられます。

JSPO-ATを取得することで、トレーナー養成校の教員や理学療法士養成校の教員など、職業の幅が広がることもメリットの1つだと思います。

もちろん、博士課程を修了して研究の業績を挙げることが教員の近道ですが、将来教員を目指すときにもアドバンテージとなるのは間違いないと思います。

メリット④:理学療法士、トレーナーとしての希少価値が高まる

日本に理学療法士が何人いるかご存知でしょうか?

2022年の3月末時点で、13万3000人が日本理学療法士協会の会員となっています。

統計情報|協会の取り組み|公益社団法人 日本理学療法士協会 (japanpt.or.jp)

一方で、アスレティックトレーナーは2022年の10月1日時点で、5002人となっています。

2018年に発行されたアスレティックトレーナーの実態調査では、JSPO-AT資格保有者1054名のアンケートを集計しています。

各種研究・調査 – ATインフォメーション – スポーツ指導者 – JSPO (japan-sports.or.jp)

その結果、24%にあたる253名が理学療法士の資格も所有していることがわかっています。

また、19.5%にあたる206名が修士号または博士号を取得しているとのことでした。

博士号に限ると、5.6%になるようです。

これは1054名のアンケート結果なので、実際にはもっといるかもしれません。

しかし、上記の割合を基にして2022年10月時点で計算してみると、

PT+ATの資格保有者はどれだけ多く見積もっても1200~1300人程だと思います。

PTだと13万3000人→PT+ATだと1200~1300人なので、一気に希少価値が高くなりますね。

また、修士号以上を取得する場合、PT+AT+修士号では、どれだけ多く見積もっても1000人程になると思います。

PTを持っている人が全員修士号以上を取得している場合の計算なので、実際にはもっと少ないと思います。体感的には500人程でしょうか?

野球、サッカー、バスケ、陸上競技など、様々な競技があるので、各競技ごとで考えると、かなり少ない印象がありますね。

さらに、プロのチームや国際競技大会だと英語が話せることもアドバンテージになるので、TOEICで高得点を取ったりできると、さらに希少価値が高まると思います。

メリット⑤:スポーツ現場に行けるチャンスが増える

JSPO-ATを取得しているということは、アスリートのコンディショニングについて最低限の知識が保障されている、という見方をすることができます。

そのため、アスリートに対するリハビリテーションや救急処置、トレーニング指導などで信頼されやすい特徴があり、現場に行けるチャンスはかなり高まるのではないかと思います。

メリット⑥:勤務場所によっては資格手当が付く

JSPO-ATを取得していることで、質の高いリハビリテーションを提供できることから資格手当がつく病院やクリニックも存在しているようです。

メリット⑦:人脈が広がる

私は免除適応コースに通っていますが、そこでは教員や同期など、多くの人とコミュニケーションをとる機会があります。

特に理論試験や実技試験の対策では、お互いに協力して情報を収集して試験に望む必要があるため、トレーナーとしての人脈を広げるチャンスになります。

トレーナーの仕事は、特に人脈を通じて回ってくることが多いので、人とのつながりは大事にしたいですね。

まとめ

個人的には、理学療法士がクリニックや病院で選手を診る場合、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の資格を取得していることが望ましいと考えています。

それは知識や技術の最低限の保障になるためです。

JSPO-ATを持っていると、アスリートがリハビリテーションを通じてスポーツ現場に復帰する際、より早期に、よりパフォーマンスを高めて復帰できるために必要なトレーニング指導をすることができます。

もちろん、JSPO-ATを持っていない方でも、質の高いコンディショニングを行える人はたくさんいると思います。自分でそういった知識を学べる人にとっては必要ないと思います。

以上、参考になったら嬉しいです。

質問も受け付けておりますので、コメントよろしくお願い致します。

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