【理学療法士が解説】良い立位姿勢とは?よくある悪い姿勢3例も紹介

姿勢

良い立位姿勢は、健康や姿勢の改善に重要な要素です。

正しい姿勢を保つことで、筋肉や骨格にかかる負担を軽減し、身体のバランスを保つことができます。

一方、悪い姿勢は長期間続くと体に悪影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、良い立位姿勢の特徴と共に、よく見られる悪い姿勢を紹介し、改善するためのポイントをお伝えします。

理想的な立位姿勢

姿勢は、ランドマークと呼ばれる、目印となる骨の隆起を目安にして判断します。

①横から見た姿勢

横から見たときには、重心線が以下の場所を通るのが良いとされています。

  • 耳垂(みみたぶ)
  • 肩峰(肩甲骨)
  • 大転子(大腿骨)
  • 膝蓋骨(膝のお皿)後面
  • 外果(外くるぶし)前方

②後ろから見た姿勢

後ろから見たときには、重心線が以下の場所を通るのが良いとされています。

  • 後頭隆起
  • 椎骨棘突起
  • 殿裂
  • 両膝関節内側の中心
  • 両脛骨内果間の中心

簡単に言うと、左右の偏りがなく真ん中を通ると良いということです。

良い姿勢をとるコツ

  1. 背筋を伸ばす:頭から尾骨まで一直線に背筋を伸ばすことが重要です。
  2. 肩甲骨を寄せる:肩甲骨を背中側に引き寄せ、胸を開くようにすると肩の緊張を緩和できます。
  3. あごを引く:日本人の多くはPC作業やスマホ姿勢の影響から、頭が前に出ている場合が多い印象です。あえて二重あごを作るような感覚で、頭全体を後ろに引きます。
  4. 骨盤の正しい位置:骨盤を前に倒し過ぎず、腰のカーブを自然に保ちます。
  5. 足の幅:足は肩幅程度に広げて、安定した姿勢を保ちます。
  6. 目線の高さ:目線は画面や地面を見下ろすよりも水平に保つようにします。

よくある悪い立ち姿勢

A. スウェイバック

骨盤が下肢や胸郭に比べて相対的に前方に位置している姿勢です。

腰椎はやや前弯、胸椎は後弯している場合が多い印象です。

この姿勢は股関節が伸展している姿勢なので、歩行時に腰椎伸展(反る動き)が出現しやすく、腰の痛みを引き起こす可能性があります。

腰椎すべり症などの症例ではこのような姿勢になっている場合があります。

【原因】

・腹筋の筋力低下

・モーターコントロール不良

・胸椎伸展可動域の低下

・胸椎伸展筋力の低下など

B. 脊柱後弯増強

脊柱全体が後弯している姿勢です。

高齢者に多くみられる姿勢で、骨盤が後傾、膝がやや屈曲している場合が多いです。

腰椎も屈曲しており、椎間板ヘルニアなどの腰椎疾患のリスクとなります。

【原因】

・脊柱起立筋の筋力低下

・胸椎、腰椎伸展可動域低下

・肩甲骨内転可動域制限、筋力低下

・ハムストリング、大殿筋、腹筋群のタイトネスなど

C. 腰椎前弯、胸椎後弯増強

腰は反っている一方で、胸椎は屈曲していて頭部が前方に突出している姿勢です。

立ち仕事を行っている人で腰痛がある方に多い印象があります。

特に下位腰椎の椎間関節に対する圧迫ストレスが生じやすいと考えられている姿勢です。

【原因】

・腹筋の筋力低下

・胸椎伸展、腰椎屈曲可動域低下

・股関節伸展可動域低下

・モーターコントロール不良など

姿勢改善のためのポイント

  • 意識的に姿勢をチェックし、正しい姿勢を保つ習慣を身につける。
  • デスクワークの場合、デスクや椅子の高さを調整して姿勢をサポートする。
  • 長時間同じ姿勢を続けず、適度な休憩を取りながら姿勢を変える。
  • ウォーキングやストレッチなど、適度な運動を取り入れる。

まとめ

良い立位姿勢を保つことは、健康な身体を維持する上で非常に重要です。

日常生活でよく見られる悪い姿勢を把握し、改善するためのポイントを理解することで、姿勢の改善に取り組むことができます。

意識的に姿勢をチェックし、適切な姿勢を保つことで、身体の不調を防ぎましょう!

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