ハムストリング肉離れ後のリハビリテーションの過程において、
ストレッチや筋力トレーニング時に痛みが生じる場合があると思います。
「この痛みは許容して良いのか」という問いにある程度の答えを示してくれる論文があったので紹介します。
結論から先に出しますので、詳細を知りたい方は下まで見てみて下さい。
結論
•Pain-thresholdのリハビリプロトコルは,pain-freeと比較してReturn To Play(競技腹筋)の達成を加速しなかった
•しかし,pain-thresholdでは有害事象がなく,等尺性膝屈曲筋力の回復が大きく,Biceps Femoris of Long Head(大腿二頭筋長頭)の筋束長が長かった
•したがって,疼痛を避けた(pain-free)のリハビリテーションは必要ないかもしれない
全く痛みがない範囲よりも、ある程度の痛みを許容しながら進めるのが良い、という結論でした。
参考文献
著者:Hickey JT, Timmins RG, Maniar N, Rio E, Hickey PF, Pitcher CA, Williams MD, Opar DA.
題:Pain-Free Versus Pain-Threshold Rehabilitation Following Acute Hamstring Strain Injury: A Randomized Controlled Trial.
雑誌:J Orthop Sports Phys Ther. 2020 Feb;50(2):91-103.
doi: 10.2519/jospt.2020.8895. PMID: 32005093.
「急性期ハムストリングス肉離れ後のpain-free(痛みなし)VS pain-threshold(閾値まで)のリハビリテーション:RCT」というタイトルです。
インパクトファクターは6.276の雑誌です。
背景
方法
NRSとは、Numerical rating scaleのことです。
0をは「全く痛みがない」、10が「想像できる中で最も強い痛み」としたときに、
どれぐらいの痛みがあるかを答えてもらいます。
リハビリプロトコール
競技復帰基準
結果
筋束長
筋力
運動恐怖感
再受傷率
考察
研究限界と結論
私の考え
研究限界でも述べられていましたが、損傷グレードがないのは大きな欠点かと思います。
どのレベルかは不明ですが、競技復帰まで平均15~17日だと、比較的軽症な分類に入ると思います。
どのグレードでも当てはまるのか、重症な症例でも適応できるのかは、
患者さんや選手に当てはめていかなければいけないと思いました。
以上、論文紹介でした。
ハムストリング肉離れ後のリハビリテーションで参考になれば嬉しいです。
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