前回に引き続き、テニス選手を例に、アキレス腱断裂術後のリハビリテーションについて紹介します。
術直後のリハビリテーションについて知りたい方は、ぜひ見ていただければと思います。
アキレス腱断裂術後のリハビリテーション①~テニス選手~保護期から訓練前期まで | みろーずブログ (miroesblog.com)
選手の経過 13週時点
選手の経過はこんな感じを想定しています。
Thompson test(トンプソンテスト)は、ふくらはぎの筋(腓腹筋、ヒラメ筋)をつまむことでアキレス腱が引っ張られて足関節が底屈することを確認するテストです。
陰性(-)は底屈が出現する、つまりアキレス腱による張力が踵骨に伝わっていることを示します。
陽性(+)は底屈が出現せず、アキレス腱が断裂していることを疑うサインです。
訓練後期~復帰期の目標
ボレーショットとは、相手から打たれたボールをバウンドせずに直接返すショットのことです。
ローボレーとは、膝より低い位置でボレーショットを打つことを指します。
アプローチショットは、ボレーで決めたいときに打つ、1つ前のショットのことを指します。
アプローチショットを打った後、すぐに前に走って相手から帰ってきたボールをボレーショットで返します。
前に走りながら打つ場合もあれば,打ってから前に出る場合もあります。
リスク管理
過度に足首を反る角度になると、アキレス腱が引っ張られて断裂のリスクが高まってしまいます。
そうならないようなリスク管理が求められます。
訓練後期メニュー
ふくらはぎの筋力トレーニング!
トレーニングにはいろいろな方法がありますが、代表的なのは踵上げ(calf raise)です。
階段につま先だけつけて、踵をしっかりと落とす位置までもってくることで、かなりの負荷がかかります。
ジョギングからランニングへ
再断裂予防のためのステップ動作①
一歩後ろに脚を引く動作を行う場合、同時に股関節や膝を曲げると、股関節や膝周りの筋肉を動員することができるので、アキレス腱に加わる負荷が小さくなることが予想されます。
一方で、股関節、膝関節伸展位で着くと、ふくらはぎの筋肉に負荷が集中してしまい、アキレス腱断裂のリスクが高まることが予想されます。
再断裂予防のためのステップ動作②
カッティング(切り返し動作)
切り返し動作にも様々な段階付けがあるので、徐々に負荷を上げていきましょう。
ジャンプトレーニング
ジャンプトレーニングも、コンビネーションカーフレイズと呼ばれる動作から始めます。
これは、スクワットで伸びがる際、同時に踵を挙げる動作です。
ジャンプの跳躍時に近い動作になるため、これができなければジャンプ動作には進めません。
ジャンプの種類:SJ、CMJ、VJ、DVJ
訓練後期を終えて、復帰へ
復帰期には、なるべく復帰するスポーツの動作に近い形でトレーニングを行っていきます。
パフォーマンスを上げる目的で実施します。
復帰期のメニュー
あくまで一例ですが、いわゆるアスレティックリハビリテーションと言われるような、競技動作に近いリハビリテーションメニューを紹介します。
以上、アキレス腱断裂術後のリハビリテーションについて紹介しました。
アキレス腱断裂を実際に経験したことがある方、治療家の方に参考にして頂ければ嬉しく思います。
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