【投球障害肩・肘のリハビリ完全ガイド】フェーズ別にみるアスレティックリハビリテーションの方法

投球動作における肩や肘の障害、いわゆる「投球障害肩」「野球肘」は、少年野球からプロの現場まで広く見られる代表的なスポーツ障害です。

こうした障害の多くは、フォームの乱れや筋力・柔軟性のアンバランス、投球数の管理不足など、複合的な要因によって引き起こされます。

本記事では、投球動作を6つのフェーズ(ワインドアップ・アーリーコッキング・レイトコッキング・加速・フォロースルー・リカバリー)の中にあるキームーブメントに着目し、それぞれの段階に応じたアスレティックリハビリテーションの具体的なアプローチを紹介します。

現場の理学療法士・トレーナー、そして選手や保護者の方にも役立てていただけるよう、臨床と実践に基づいた内容を分かりやすくまとめました。

「投げたいけど痛い」「投球再開が不安」「フォームを見直したい」と感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。

Wind up phase

片脚立位時に骨盤後傾がないか、後方重心がないかチェックが必要です。

Early cocking phase

ポイント:saggital respect:矢状面の動作中に体幹の後屈などの他の面の動きが入っていないかチェック、動さ骨盤の安定化に重要

Hip hinge

・ポイント:H-Qの共収縮、体幹の共収縮、膝震え×

・シングルスクワット:遊脚を前に出す

⇒WBゆらす、船をこぐ(∞)

・ボックスからシングルスクワット:mini WBを頭の周り回す

⇒足をできるだけ後ろに着く

・ブルガリアンスクワット+WB shaking横

⇒下肢の共収縮促す

・Drop Jump from step with WB⇒その場で10回振る⇒投げる

後方、前方、側方など様々な方向に飛ぶ

キューイング:「なるべく早く止まる」

⇒台からのジャンプは負荷が高いので、「なるべく早く止まる、一気に止まる」には、自然に股関節の屈曲動作で吸収しなければならない環境を作れる。

・斜め45°に走って片脚stop⇒投げる

・連続hop⇒投げる

Hip lock

・シングルデッドリフト⇒シザース(足入れ替え)⇒Hip lock

⇒身体の真下に脚を着く。遊脚はしっかりと股関節屈曲する

⇒ミニWBをone handで持つ(バスケのレイアップ)、WB大で両手で持つなど

・wall drill+Hip lock

⇒軽く沈んだ状態からHip lock⇒片手を素早く高く壁に着く

・サイドwall drillで実施

・Hip lock mini WBを遊脚側⇒立脚側⇒真上

・フロントランジ+WB斜めにpush⇒Hip lock rotで顔の真横にWB持っていく

・Hip lock+ ball catch

・片脚立ち with mini WB⇒ヒップロック+軸足内旋、足関節底屈、体幹は右回旋、WBを右上に伸ばす

⇒なるべく高く足を壁に着く(ヒップロック促す)

⇒台から後方へのジャンプを組み合わせる

・ヒップロック+スナッチ

キューイング:「なるべく早く、高く、遅れて脚を着く」

⇒バーを置くことで、足を高く上げる意識を誘導

踏み込み(swing leg retraction)

・踏み込み時に膝が外に逃げていないか、足底全体で接地できているかどうか確認

・投球動作に加えて、踵がミニハードル、あるいはチューブを越えるように

・ミニハードルを越えてスローイング with mini WB:手は頭の横に置いてスプリットスクワット、左脚荷重、軸足heel off、股関節内旋の位置から、一歩踏み込む

⇒「釘を上から刺すように」傾かないように真上から

Late cocking phase

捻転差

ポイント:real rotation(骨盤⇒体幹の回旋が同方向), false rotation(骨盤、体幹の回旋が逆方向)はどちらも重要

・ワインドアップ~フロントランジ with mini WB

⇒投球方向に対して横を向いた姿勢から、フロントランジをしながらmini WBを頭の横に持ってくる。

軸足のつま先を投球方向に向け、軸足の股関節内旋+外転を出す

・壁に臀部を付けてヒップヒンジ前傾+rotation+punch with mini WB

⇒big WB担いでrotation⇒素早く戻す

・速いシザース+rotation+punch with mini WB

⇒big WB担いでrotation

・右足前、左足後ろで体幹右回旋位、手は頭の後ろで、mini WBを構えて投げる

chest out while rotation

・ランジウォーク+回旋素早く サイドにパンチwith mini WB WBは胸の前や肩

⇒体幹をuplightに保つことで、前方突っ込み抑制

⇒WB大回りで横にパンチ

・開脚+rotation+punch with プレート

⇒台の上に座位、足の位置高く、ゆっくり⇒早く(2秒キープ)

・両膝立ち⇒Hip lock+ウッドチョップ(斜め下から斜め上へ)⇒片脚立ち with ミニWB、ミニハ

・ランジ+rotationでWB投げる

⇒左側に投げる場合、左脚が前のランジ姿勢から、左手を上、右手を下にして回旋しながら投げる

・スプリットスクワット with mini WB

胸の前にmini WBを持ち、前脚荷重の姿勢から頭の周り回す⇒前、左、右に素早くパンチ

⇒頭の周りを回すことで、胸椎伸展を促す。前脚荷重で胸椎伸展、chest outを保つ。素早く実施することで、H-Qや体幹の共収縮を促す

Follow through

rotation around the shoulder

ポイント:リリース後の減速動作では、体幹回旋、肩甲骨内旋、肩関節内旋、水平内転、前腕回内が生じます。

・one kneeling:左足を前、右足を後ろにした片膝立ち。ミニWBをセットポジションに置き、前方にパンチ

⇒上記回旋動作を強調して行う

⇒立位ではスプリットスクワットで実施する。慣れたら、投げてから戻す動きも取り入れる。

・メディシンボールたたきつけ

ランジ姿勢から、メディシンボール3kgを左足の側方にたたきつける

⇒ミニハードルを置き、一歩踏み込んでたたきつける。たたきつけるポイントにタオルなどを置く。

・SAパンチ

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