ストレッチポールの使い方バリエーション|「3点接地」で分かる、乗ってできること・できないこと
ストレッチポールに寝るだけで終わっていませんか。縦置き・横置き・座る・立つ・ハーフカットまで、使い方のバリエーションを21種目紹介します。後頭部・背中・お尻の3点がポールについたまま行えるか。このルールひとつで、ポールの上でやってよい動きと、やめたほうがよい動きが分かります。
ストレッチポールを買って、しばらく寝転がってみた。気持ちはいい。でも、そのあと何をすればいいか分からない。
そういう方は多いと思います。動画を見ると、いろいろな種目が出てきます。ただ、どれをポールの上でやってよいのかは、あまり説明されていません。
この記事では、使い方のバリエーションを21種目紹介します。そして、すべてをひとつのルールで説明します。ルールが分かれば、ここで紹介していない動きも、ご自身で判断できるようになります。
理学療法士として10年、整形外科で体の使い方を見てきた立場からまとめました。
まず知ってほしい「3点接地」というルール
縦にしたポールに仰向けで乗るとき、体がポールに触れている場所を確かめてください。
| 場所 | 体のどこか |
|---|---|
| 1 | 後頭部 |
| 2 | 背中の上の方(肩甲骨の間あたり) |
| 3 | お尻の上の平らな骨 |
この3点がポールについている状態が、基本の姿勢です。
ルールはひとつです。
3点がポールについたまま行える動きだけが、ポールの上で成立する。
細い筒の上で体が安定しているのは、3点で支えているからです。どこか1点でも離れると、支えが崩れます。ポールが転がったり、体が滑り落ちたりします。
逆に言えば、3点が離れない動きなら、腕でも脚でも動かしてかまいません。このあと紹介する縦置きの種目は、すべてこの条件を満たしています。
横に置く、壁に当てる、といった使い方では、ポールの当たる場所が変わります。それぞれの節で、何がついたままなら成立するかを書いていきます。
ストレッチポールが体に効く4つの理由
床の上ではなく、ポールの上で動く意味は4つあります。
1. 土台が不安定 細い筒の上では、倒れないように支え続ける必要があります。そのため、体の深いところの筋肉が働きやすくなります。
2. 背中が床に押しつけられない 床に寝ると、背中側はふくらむ余地がありません。ポールの上なら、息を吸ったときに背中や脇腹の方へ胸を広げられます。
3. 肩甲骨が自由になる 肩甲骨の下に床がありません。腕を上げ下げしたとき、肩甲骨が本来の動きをしやすくなります。
4. 広げてから縮められる ポールは、背中を反らせる方向に支えます。胸が開いたところから、息を吐いて閉じていく。動く範囲の端から端までを使えます。床の上より、縮める感覚がつかみやすいのが特徴です。
1〜3については、反り腰の方向けのこちらの記事でくわしく説明しています。
縦置きのバリエーション
基本の姿勢で乗ります。膝は立て、足は腰幅に開きます。最初に、ゆっくり5回呼吸をしてから始めてください。
腕まわり
① 肩甲骨の突き上げ・引き寄せ
- やり方:両腕を天井へ伸ばします。手を天井へ3〜5cm押し上げ、戻します
- 回数の目安:10回
- 気をつける点:肘は伸ばしたまま。肩甲骨で動かします
② 肩をすくめる・引き下げる
- やり方:腕は体の横に置いたまま、肩を耳に近づけ、次に足の方へ下げます
- 回数の目安:10回
- 気をつける点:首に力が入らない範囲で。後頭部はポールから浮かせません
③ 頭の後ろで手を組んで、肘を開く・閉じる
- やり方:肘を床の方へ開きながら息を吸い、顔の前で閉じながら吐きます
- 回数の目安:10回
- 気をつける点:開くとき、あごが上がらないようにします
④ 斜めに腕を伸ばす
- やり方:片腕を斜め上の外へ伸ばし、斜め下の内(反対の腰の方)へ引きます
- 回数の目安:左右10回ずつ
- 気をつける点:背中の上の方がポールから浮かない範囲で動かします
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脚・骨盤
⑤ 片脚ずつの足踏み
- やり方:片足を床から3〜5cm浮かせ、下ろします。左右交互に行います
- 回数の目安:左右10回ずつ
- 気をつける点:お尻がポールから浮かない高さまでにします
⑥ かかとで床をタッチ
- やり方:片膝を胸の方へ軽く上げ、かかとをゆっくり床へ下ろしてタッチします
- 回数の目安:左右8回ずつ
- 気をつける点:腰とポールのすき間が広がったら、そこで止めます
⑦ 骨盤を小さく前後に傾ける
- やり方:お尻の上の骨をポールに押しつけるように、骨盤を前後へ2〜3cm動かします
- 回数の目安:10回
- 気をつける点:大きく動かすと、お尻が浮いて3点が崩れます
⑧ 小さなゆらぎ
- やり方:手を床に添え、体ごと左右に2〜3cm揺れます
- 回数の目安:30秒〜1分
- 気をつける点:ポールから落ちそうな幅まで揺らしません
道具を足す
⑨ ゴムバンドで胸の前を開く・引き寄せる
- やり方:両手でバンドを持ち、腕を天井へ伸ばします。左右へ開き、ゆっくり戻します
- 回数の目安:10回
- 気をつける点:開くとき、肩がすくまないようにします
⑩ 軽い重さを頭の方へ下ろす
- やり方:500mlのペットボトルを両手で持ち、胸の上から頭の方へゆっくり下ろします
- 回数の目安:8回
- 気をつける点:腰が反りやすい種目です。腰とポールのすき間が広がる手前で戻します
⑪ 横から引かれるのに耐える
- やり方:机の脚などに結んだバンドを横から持ち、腕を天井へ伸ばして10秒止めます
- 回数の目安:左右3回ずつ
- 気をつける点:体がねじれないように止める練習です。ポールが転がらない強さにします
横置きのバリエーション
ポールを背骨と直角に置きます。ここでは3点接地の代わりに、足とお尻を床につけたまま、腰を反らせないことが条件です。
⑫ 背中の上の方を反らせる
- やり方:ポールを肩甲骨の下あたりに当て、頭の後ろで手を組んで、背中を軽く反らせます
- 回数の目安:1か所5回。ポールを3cmずつ下へずらし、3か所まで
- 気をつける点:膝を立てて、腰が反らないように保つことが必須です。ポールを腰の高さまで下げないでください
⑬ 反らせた位置で呼吸する
- やり方:⑫の姿勢のまま、背中側へ息を入れるように吸い、ゆっくり吐きます
- 回数の目安:5呼吸
- 気をつける点:吸うときに、お腹だけがふくらまないようにします
⑭ 脇の下に当てる
- やり方:横向きに寝て、脇の下にポールを当て、体重を少しずつかけます
- 回数の目安:30秒。前後に2〜3cm転がしてもかまいません
- 気をつける点:腕が上がりにくい方は、ここが硬いことが多い場所です。痛みが出るほど体重をかけません
⑮ 脇腹の下に当てる
- やり方:横向きで、脇腹の下(肋骨と骨盤の間)にポールを置き、上の腕を頭の方へ伸ばします
- 回数の目安:30秒
- 気をつける点:腰の骨に直接当てないようにします
⑯ 脚を転がしてほぐす
- やり方:太ももの前・外側・裏、お尻、ふくらはぎの下にポールを置き、ゆっくり転がします
- 回数の目安:1か所30秒
- 気をつける点:強く押しつけるほど効く、というものではありません。息を止めない強さで行います
座る・立つ・ハーフカット
座る・立つ
⑰ 壁に当てて、しゃがむ・股関節を曲げる
- やり方:ポールを縦にして背中と壁の間に挟み、後頭部・背中・お尻の3点をつけたまましゃがみます。お辞儀のように股関節を曲げる動きでもかまいません
- 回数の目安:10回
- 気をつける点:3点のどれかが離れたら、そこが今の動ける範囲です。姿勢を覚える道具として、とても優秀な使い方です
⑱ 棒として持つ
- やり方:ポールの両端を持って頭上に上げ、体を横に倒します。次に、胸の前で持って体をひねります
- 回数の目安:左右5回ずつ
- 気をつける点:腰ではなく、背中の上の方から動かします
⑲ 足の裏で転がす
- やり方:椅子に座り、足の裏でポールを前後に転がします
- 回数の目安:1分
- 気をつける点:立って体重をかけると、転がって危険です。座って行います
ハーフカット
円筒を半分に切った形のポールです。平らな面を下にすれば転がりません。
⑳ 平らな面を下にして、片脚立ち
- やり方:ハーフカットの上に立ち、片脚で立ちます
- 回数の目安:左右30秒ずつ
- 気をつける点:すぐ手をつける壁の横で行います
㉑ 丸い面を上にして、スクワット
- やり方:丸い面を上にして置き、両足の土踏まずを乗せて浅くしゃがみます
- 回数の目安:10回
- 気をつける点:前後に揺れやすいので、壁や椅子に手を添えます
やってはいけない3つの使い方と、その代わりの方法
どれも、3点接地が崩れるという理由で説明できます。
| 動き | 何が起きるか | 代わりの方法 |
|---|---|---|
| お尻を持ち上げる(ヒップリフト) | お尻が浮いた瞬間に支えが2点になり、ポールが足の方へ滑るか、左右に転がる | 床で行い、ポールは膝の間に挟んで使う |
| 両膝を大きく左右に倒す | 重心が横へ出て、ポールごと転がる | 床で行う。ポールの上なら、片脚だけ小さく倒す |
| 四つ這いで手をポールに乗せる | ポールが転がり、腕で支える別の運動になる | 手は床につく |
ほかの動きで迷ったら、「後頭部・背中・お尻の3点が離れないか」を確かめてください。離れるなら、床で行うほうが安全です。
1回の組み立て例(10〜15分)
全部を毎回行う必要はありません。はじめは、次のように組み合わせてみてください。
| 順番 | 内容 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 縦置きの基本の姿勢で、ゆっくり呼吸 | 1〜2分 |
| 2 | 腕まわり:①肩甲骨の突き上げ・引き寄せ、③肘の開閉 | 3分 |
| 3 | 脚・骨盤:⑤足踏み、⑦骨盤を傾ける | 3分 |
| 4 | 横置き:⑫背中の上の方を反らせる、⑬呼吸 | 3分 |
| 5 | 立って:⑰壁に当てて、しゃがむ | 2分 |
慣れてきたら、2〜3の種目を入れ替えたり、⑨〜⑪の道具を使う種目を足したりします。ポールから下りたあと、床に寝て背中の感じを比べてみると、変化に気づきやすくなります。
まとめ
- 縦置きでは、後頭部・背中の上の方・お尻の上の平らな骨の3点をつけたまま動きます
- 3点が離れない動きなら、腕も脚も、道具を足しても成立します
- 横置きは、足とお尻を床につけ、腰を反らせないことが条件です
- 壁に当てる使い方は、3点をつけたまま動くことで、姿勢を覚える練習になります
- 仰向けでポールに乗る時間は、1回15〜20分程度までにとどめてください
普段から運動をする方や、横置きで背中をしっかり反らせたい方は、太めで硬めのタイプも選択肢です。転がるのが不安な方は、ハーフカットから始める方法もあります。
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ご注意ください
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医療行為の代わりになるものではありません。
痛みがある場合は、自己判断で続けず、医療機関を受診してください。 行っている途中で痛みやしびれが出たときも、すぐに中止してください。
妊娠中の方、骨粗鬆症のある方、急に腰を痛めた直後の方は、始める前に医師または理学療法士にご相談ください。
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